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石垣修理保存基本計画(概要版) 岡崎城跡整備基本計画 | 岡崎市ホームページ

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Academic year: 2018

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岡崎城跡石垣保存修理基本計画

【概要版】

計画策定の目的

岡崎城跡は本格的な石垣使用から約420年を経過し、各所に孕み、ズレ、抜けといった現象がみられる。 一方、「岡崎城跡整備基本計画(平成 29 年 3 月改訂)」では、石垣を岡崎城跡の価値を構成する要素として位 置づけている。こうしたことから、今後岡崎城跡の本質的価値を構成する石垣の保存修理を円滑に推進する 上で、石垣保存修理に対する基本方針や修理の方針・方法、さらにはその実施の方向性について定めること を目的に石垣保存修理基本計画を策定するものである。

岡崎城跡の石垣の本質的価値

本質的価値

①「歴史の証拠」としての性質

・岡崎城の石垣には多様な構築技術が見られ、それ自体が城郭整備の変遷を物語る遺構である。

②「安定した構造体」としての性質

・岡崎城は竜頭山と呼ばれる丘陵地の先端部に築かれ、自然地形を巧みに利用した縄張りを形づくる石垣は、

史跡指定範囲内においては大きな改変も少なく、安定性を保持し続けてきた次世代へ継承すべき伝統的な

技術である。

本質的価値を評価する属性・指標

①形態・意匠

・天正期から文禄、慶長初頭と想定される天守台石垣には、大型の鏡石や舟形状の長大な石材が配置され、

他の石垣には見られない高い意匠性が見られる。

・築石部では、石材加工度合(「野面石」「粗割石」「粗加工石」「切石」)に規制されつつ、多様な積み方(「乱

積み」「布崩し積み」「布積み」「谷積み」等)が確認され、表面加工(「ハツリ」「スダレ」等)と合わせ、

石垣構築技術の推移や時代変遷を見ることができる。

・隅角部では、角石の重ね積み、角脇石が明確ではない算木積み、角脇石を備えた算木積みなど、隅角部に

おいても築石同様に石垣構築技術の推移や時代変遷を見ることができる。

②技術・技能

・丘陵地の先端部を選定しているため、石垣は安定した地盤の上に構築されていると考えられ、「地形根切り」

が行われていると想定される。一方、龍城堀石垣や菅生川端石垣などの軟弱な地盤には、胴木や木杭によ

る石垣基礎補強も見られるなど、立地に応じた構築技術についても知ることができる。

・市内には中世に遡る石造物が散見されることから、これまでにも石材が産出し、石材加工技術の存在がう

かがえるが、岡崎城における石垣構築はさらなる石材加工技術の向上や丁場開発の契機となり、その後の

鳥居や灯籠などの花崗岩を中心とする硬石系の石材加工にその技術が活かされ、現在も良質な花崗岩の産

出地であると同時に優れた加工技術をあわせもつ「石都」と呼ばれるほどの石工産業の発展につながって

いる。

③地域性

・石垣の主要部である隅角や築石の大部分に領内で産出する花崗岩が使用さる状況は、石垣の統一感を醸し

出しており、天下普請で各地から石材が運ばれた城郭とは対照的である。また城郭のいたる場所に石垣が

構築されたことは、領内に石材産出地が立地する地質的特性であり、地域性をみることができる。

④時代性

・西郷弾正左衛門頼嗣による城地の選定、松平清康による本格的な城郭への改修・拡張、家康の関東移封後

の豊臣家臣の田中吉政による総構を持つ壮大な城郭規模への整備・拡張、さらに関ヶ原の戦い以降の譜代

大名による整備・拡張など、石垣は中世から近世にかけての岡崎特有の時代背景を意識した城郭及び都市

構造の証拠となる貴重な遺構である。

⑤精神性

・明治期には旧藩士達の保存運動により城址公園となり、昭和 34 年には天守が復興されるなど、都市の景観

を形成するとともに、石垣は城郭の骨格を現す象徴的な遺構として残されている。こうした城郭の継承、

(2)

保存・活用に関する理念

保存に関する理念

○城跡の本質的価値の根幹である石垣の適切な保存と次世代への継承

・本質的価値の根幹となる石垣について、文化財としての適切な保存と公開、活用のあり方も視野に入 れ、確実な保存と次世代への継承を目指す。

○城跡の調査研究の継続

・発掘調査を始めとする調査研究の継続により城跡の実態を解明し、石垣の価値をより明らかにし、今 後の城跡の保存活用のあり方につなげる。

活用に関する理念

○貴重な歴史文化遺産である石垣への誇りと愛着の向上

・岡崎城跡に残る「歴史の証拠」である石垣の顕在化を図り、正しく学び理解を深めてもらうための情 報発信や周知活動により、石垣に対する関心を高め、その価値や魅力を市民と共有し、誇りと愛着を 寄せるにふさわしい活用を目指す。

○公開・活用に伴う安全性の向上

・石垣の顕在化、公開、活用を進めるために、石垣の保存と見学者の安全性を確保する取り組みを図る。 ・本質的価値である石垣の「安定した構造体」を学ぶことにより、文化財石垣としての伝統技術を学ぶ

ことで、石垣の安全性の限界を理解し、防災力の向上を図る。

保存管理の基本的な考え方

(1)石垣カルテによる管理

岡崎城跡内(一部指定地外も含む)の城郭に関連する石垣1面ごとに現地調査を行い、石垣の状態(変状 の有無や程度)や、石垣がおかれている利用形態の2つの側面を客観的に捉え、石垣の現状を把握するため に、石垣カルテを作成する。なお、石垣の日常的な維持管理や定期的な観測により石垣カルテの追加、更新 を図る。

■石垣カルテとは

・城跡の石垣に関する情報を網羅的に集約した、石垣の特徴を把握する基礎的な資料である。また将来に

発生する石垣の修理において、歴史的状況を復元・整備するための基礎的な情報源となる。

(3)

(2)保存管理・修理計画の流れ

石垣の保存管理とともに、変状箇所の保存修理に向けた整備方針の検討が必要である。まず変状が確認 された石垣については、変状の進行具合を把握するための変状観測や、3次元測量による測量調査などの 詳細調査を実施するとともに、公開に伴う安全性確保の観点から応急的措置の必要性について検討する。

■意義

・城跡における石垣の遺存状況及び破損・変形状況を個別詳細に把握することに加えて、築造と改修で加

えられた意匠や特質を総括的に把握する意義を持つ。

■作成の目的

・城跡において、築城に伴う石垣遺構の全体を対象とし、その特徴を把握することで、部位に分断されが

ちな石垣の総体が把握できる。これらの情報は、定期的な観察によって更新されることにより、築城時

やその後の改修における状況を類推する手がかりとなる。またこれらの情報から、各区間について復旧

(修理)の方針を決定し、実際の方法を定めることで、経年劣化に対する計画的な対処や、突発的な地震・

大雨等の自然災害による崩落などに対する適切な復旧が可能となる。

・石垣カルテで石垣に係る基礎的な情報を系統的に収集し、確実に蓄積するとともに、継続的な調査によ

って得た情報を追加することで、新たな認識を把握するとともに、また、復旧(修理)後の経過観察も同

じ視点で実施し、歴史的石垣の持つ意味を常に検討し続けることが必要である。

(4)

活用の基本的な考え方

石垣の活用とは、城跡の本質的価値の根幹である石垣を適切に公開することにより、石垣の多様な価値を 正しく理解し、学ぶことができるようにすることにある。石垣の活用にむけて、本質的価値の確実な保存を 前提に、石垣や複合的な縄張りを理解できるような顕在化を図り、またその価値の幅広い周知、共有に努め る。また、将来発生しうる地震災害などにむけて、文化財石垣の保存・継承のあり方についての理解を促進 することで、城跡の管理者のみならず、見学者自らが危機管理意識を醸成させ、防災意識を高める取り組み も必要である。

活用の基本的な考え方

○石垣の顕在化を図る

○幅広い情報発信、周知活動を図る

○円滑な保存・活用にむけた体制整備を図る

石垣保存修理基本計画

(1)保存修理の基本方針

岡崎城跡の石垣を次世代へ継承するためには、「管理」と「修理」による適切な保存が必要である。その ためには、石垣カルテの追加や更新などの日常の観察、石垣周辺の樹木管理や雨水排水管理など、石垣が立 地する周辺環境の維持管理が重要である。

岡崎城跡は市史跡であるとともに、都市公園、主要観光地といった位置づけにあることから、石垣の保存 修理事業については、日常の「石垣維持管理」、変状箇所の現状評価や詳細調査の成果、公開・活用のあり 方などを踏まえ、実施にむけて修理方針の再検討が生じるため、関係部局との段階を経た合意形成が必要で ある。また史跡の価値を高める考えから、石垣の危険度に応じた保存修理と並行した史跡整備についても見 極めて事業を実施していくことが求められる。

保存修理の基本方針

○石垣カルテの追加・更新や石垣保存のための日常的な維持管理など、適切な維持管理の継続。

○城跡の本質的価値の根幹である石垣の価値を損なうことのない保存修理とする。

○岡崎城跡整備基本計画との整合を図りつつ、適切な城跡の保存活用にむけた保存修理とする。

○保存修理工事は、変状箇所の現状評価や詳細調査を行ったうえで、石垣の特徴や緊急性に応じて、

修理工事の優先度と適切な修理方針を選択する。

○保存修理にむけた体制の確立と関係機関や市民との連携の強化と協力を図る。

(2)石垣保存修理事業計画

短期事業の考え方

◆【危険度A】、【危険度B1】判定の石垣を中心に、現状評価や詳細調査を行う。 ◆石垣によっては応急的措置を講じる。

◆石垣の顕在化を図るための阻害要因の除去。

◆石垣の魅力を伝えるためのパンフレットの作成、市ホームページ等を通じた情報発信。

◆文献、古絵図などの史料調査や計画的な発掘調査による岡崎城全体の実態解明とその成果の蓄積。 中長期事業の考え方

参照

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